our story
あらやしについて
令和3年度第28回千葉県建築文化賞優秀賞(住宅の部)受賞
古民家の100年の建築文化や時代の趣を
広く知ってもらいたい想いと共に、
古民家再生による「家族の歴史をつないでいくこと」
「現代に寄り添った古民家の価値」
を大切にしています
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はじまりは2011年
19代目として房総半島、千葉県勝浦市にある亡父の実家と土地を引き継ぎました。築100年の母屋と先祖代々引き継いできた土地です。祖父の代までは住んでいましたが、祖父が亡くなってからは東京在住の父母が管理していました。平成23年に父が亡くなり、私が引き継ぎ管理することになりました。
記録に残る限り、父の実家は江戸時代初期から続く農家の本家でした。私が子供の頃、この母屋には祖父を家長に大家族で住んでいました。 昔は牛やニワトリも飼っていましたし、土間にはまだ釜がありました。釜の火加減を見る腰の曲がった祖祖母の後ろ姿がぼんやりと記憶に残っています。「日本むかし話」に出てくるような日本の民家の生活を送っていました。 私の父は次男だったので、建築家を目指して大学進学、建築会社に勤務し東京で生活していました。夏休みやたまに父に連れられて実家に帰ると、従兄弟たちと虫取りや竹とんぼを作ったり、縁側でコマやメンコで遊んだのを覚えています。
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江戸時代から続くあらやし
仏壇の奥を掃除していたら、古く江戸時代の年号の書かれた位牌と一緒にガラス製の写真が出てきました。 これがご先祖様・・・? たぶん江戸時代末期か明治時代初期のものだと思います。 チョンマゲ姿の先祖が写っていました。 江戸時代から代々この土地で生活してきたのです。
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古民家
古民家と言えば聞こえはいいですが、何もしなければ家は荒れて、土地もあっという間に草だらけになってしまいます。人が住んでいないので、母屋の屋根裏には動物(たぶんイタチ?)の住処になってしまっていました 。
築50年以上の家を古民家と呼ぶそうですが、房総地域には住む人がいなくなり、管理できずにそのままになっている古民家はたくさんあります。 昔ながらの古民家は現代人にはあまり住みやすいものではありません。しかし、昔ながらの建築技法で建てられた太い梁や柱は今では手に入れるのが難しく大変貴重です。 今のような頑丈な基礎工事などはなくても、関東大震災にも耐えて100年もの年月を過ごしてきました。
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再生
家にはそこに代々住んでいた人々の歴史が刻まれています。古く汚くなったから…といって壊してしまうのは簡単なことです。でも、壊してしまったらその家の歴史も失うような気がしてなりません。形を残すことでその家の歴史が受け継がれていくのだと思います。だからこそ再生し残したいのです。
それが立派な武家の家ではなく農家の家でも
唯一の自分のルーツなのですから。